アウトバーンの国ドイツでインドア・カートを体験
2016年1月の終わり、ドイツ・フランクフルトでインドア・カートを体験してきた。フランクフルトはヘッセン州に属するドイツ第5の都市。東京から直行便で11時間ほどのフライトで行くことができる。カート場「INDOOR-KART 2000 RACE CENTER」は、名前のとおり屋内型で、コースの全長はパンフレットによると1000mにおよぶ。筆者が調べた範囲では、日本で国内最大とうたう屋内型カート場でもコース全長はこの半分もない。やはりドイツ、アウトバーンの国だけあって、屋内型カート場の規模も大きいようだ。
カートは小型のエンジンを積んだもので、その操作方法はいたってシンプル。右足でアクセルペダル、左足でブレーキペダルを操作。そして両腕でハンドルを握る。乗車にあたって、裾がヒラヒラするような上着は裾をズボンの中に入れるよう指示され、フェイスマスクを着用の上にフルフェイスのヘルメットをかぶる。そしてカートに乗り込み、シートの位置を自分の体格に合わせて前後方向に調整すれば準備完了。係員がエンジンを始動し、あとはスタートの合図を待つばかりだ。
今回60人ほどの団体による貸し切りだったこともあり、体験の形態はレースだった。カート場側による運営は手馴れたもの。各自2回の走行機会が与えられて、最初は5分ほどのタイムトライアル。次に、このタイムの速い順に約20人ずつ全体を3つのグループに分けて、いよいよレースである。レースの際も、最初の7分はタイムトライアルで、そこでのタイムの速い順に改めて全車が整列し、12分に渡るレースが最後に行われた。
実際に走り出してみると、タイヤのグリップ力は高く、当然ハンドルにパワーアシスト機能など無いため、それなりの速さでコーナーを駆け抜けるには、ハンドルを保持するために予想以上に力が必要なことに驚いた。また、筆者の最速ラップタイムは1分14秒ほどだったので、平均速度は時速50kmを下回っていたと考えられるが、地面すれすれの高さを滑るように走るため、体感スピードはそれ以上に速いものであった。
ところで、今回、この場にはドイツを中心としたヨーロッパ圏の人々、日本、韓国、中国などのアジア圏の人々、そして北米の人々という顔触れが集まっていた。筆者も含め、ほとんどの人がカートを普段から経験することはない。しかし、レース結果の傾向として上位にドイツ人が多かったのは、やはりアウトバーンを擁する自動車大国の人々だからなのだろうかと興味深かった。