2018年には高速道路等での一部自動走行を開始へ 経産省と国交省
経済産業省と国土交通省が23日に発表した自動車の自動運転に関する「今後の取組方針」によると、早ければ2018年には、高速道路での加減速や車線変更等の自動走行を、運転手の責任範囲下において実施可能とする方針を示した。
両省は、米国を中心とする自動運転自動車技術や制度に対する競争力確保や交通事故削減へ対応を迫られる中、昨年2月に「自動走行ビジネス検討会」を設置。自動走行のレベル分けに米国連邦運輸省道路交通安全局(NHTSA)の定義を参考に、「自動走行」「隊列走行」「自動バレーパーキング」「ラストワンマイル自動走行」などをテーマに議論を行ってきた。
一般車両の走行に関する「自動走行」では、NHTSAが定義する自動走行「レベル2」に該当する「ドライバーは安全運行の責任を持ち、操舵・制動・加速全ての運転支援を行う」ことを2018年頃までに可能にする方針。また「レベル3」に該当する「ドライバーの安全責任を前提とせず、機能限界になった場合のみドライバー自ら運転操作を行う」ことを2030年頃に実現可能とする方針を示した。
トラックの複数台走行などの「隊列走行」では、2018年頃から2台隊列における後続車両の無人走行を公道で実証実験する方針を示した。商業運行は2021年以降となる。
ドライバーが車外にいる状態での自動駐車「自動バレーパーキング」では、2020年頃からの商業化を目指し、2017年末頃から実証実験に取り組む予定。
過疎地などの公共交通手段減少に伴う自動運転タクシーなどに関する「ラストワンマイル自動走行」は、事業成立可能性を含めて適用地域を選定した上で2018年頃から公道での実証実験を開始する。過疎地を持つ自治体などと連携し2020年を目処に商業運行を開始する予定。
NHTSAでは、今月に自動車メーカー大手を巻き込み2022年自動ブレーキ標準搭載化を決定するなど、国主体のルール整備が進んでいる。両省は同検討会に加えてルール整備と技術進化の双方をハンドリングする検討会を設置する方針も示した。
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