日本の温室効果ガス排出量、5年ぶり減少
環境省と国立環境研究所は15日、2014年度の温室効果ガス排出量の確報値を公表した。日本の温室効果ガス総排出量は2013年度比3.1%減の13億6400万トン。2009年から増加傾向が続いていたが、5年ぶりに減少に転じた。
二酸化炭素(CO2)のみの排出量は12億6500万トンで、2013年度比3.5%減。京都議定書で基準にしている1990年度比では9.5%増だった。昨年12月にCOP21で採択された地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」では、日本はCO2を2030年までに2013年度比26%削減することを目標にしている。
減少の要因としては、電力消費量の減少や、発電効率改善に伴って電力由来のCO2排出量が減少したことで、エネルギー起源の排出量が減少したことなどが挙げられている。
7種類の温室効果ガスのうち、CO2、メタン、一酸化二窒素、六フッ化硫黄、三フッ化窒素の5種類で減少したが、ハイドロフルオロカーボン類(HFCs)が2013年度比11.5%増、パーフルオロカーボン類(PFCs)が同2.5%増加した。
冷媒分野で排出量の増加が続いているHFCsは、オゾン層破壊物質として生産中止となったクロロフルオロカーボン(CFC)に代わって冷蔵庫などの冷媒として使用されているもの。ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)やハイドロフルオロカーボン(HFC)があり、代替フロンと呼ばれる。CFCの代わりに使用されていたHCFCもモントリオール議定書でオゾン層破壊物質と指定されたため、さらにHCFCからHFCへの代替が進み、排出量増加につながっている。いずれも強力な温室効果を持つため、新しい冷媒の開発などノンフロン化の推進が求められている。
参考記事
COP21で「パリ協定」採択
(写真はイメージ)