サウジアラビア「脱石油」宣言 新分野開拓で経済改革
世界最大の産油国サウジアラビアが「脱石油」を宣言した。25日にサウジアラビアは経済改革指針「ビジョン2030」を通して、石油依存経済から脱し、都市開発・観光産業・軍需産業・鉱山業など新しい分野を育成して、第2の経済跳躍をすると発表した。
サウジアラビアは今年3月末基準で1日1019万バレルの石油を生産しており、政府収入の75%、国内総生産(GDP)の45%を石油に依存している。この構造を変革し、石油がなくても持続できる経済を作るというものだ。
サウジアラビアは新しい成長動力を育てる財源調達のために、国営石油会社アラムコを民営化することにした。また、アラムコの新規株式公開(IPO)に発表した資金と国有地・団地を売って集めたお金で2兆ドル(約214兆円)に上る政府系ファンドを設立する計画だ。ファンドはアラムコではなく、外部専門家が運用し、サウジアラビア内のインフラ開発と国内外の成長産業分野に投資される予定だ。
また、電気・石油・水を使う際に支援していた補助金も減らした。付加価値税も導入してぜいたく品に追加税金を課すなど、税制改革も推進することを計画している。このような改革で、GDPのうち非石油部門が占める割合を現在の16.8%から50%に増やす予定だ。
ビジョン2030の企画と発表は、サウジアラビア王室で強い影響力を持つムハンマド・ビン・サルマン副皇太子(30)が主導した。 ムハンマド副皇太子はサルマン・ビン・アブドゥル・アズィーズ国王(80)の息子で王位継承順位第2位。
一方、2016年のサウジアラビア政府予算は3262億リヤル(約9兆2967億円)の赤字が予想される。この2月の為替保有高は2兆2224億リヤル(約63兆3384億円)で、前年2月より17%減少した。
※1リヤル=28.5円、1ドル=107円で換算。
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