2年目の「日本遺産」に19件を認定 地域の魅力をPR
文化庁は25日、日本の文化・伝統を語る「ストーリー」を認定して地域活性化につなげる「日本遺産(Japan Heritage)」の2016年度の認定結果を発表した。今回は全国から申請された67件のうち19件が認定された。
「日本遺産」は、地域の歴史的魅力や特色を通じて日本の文化・伝統を語る「ストーリー」を認定し、有形・無形の文化財群をパッケージ化して総合的に活用する取り組みを支援するもの。
文化財の保護を目的とする世界遺産や文化財指定とは異なり、日本遺産は文化財の価値づけによる地域活性化を目的としている。単一の市町村内で完結する地域型のストーリーと、複数の市町村にまたがるシリアル型のストーリーの2種類がある。昨年(2015年)に初めて認定され、18件が選ばれた。
今年認定されたストーリーは、地域型が4件と、シリアル型が15件。以下の19件となる。
(シリアル型は、「(代表自治体)など」で記す。)
(1) 仙台市(宮城県)など:政宗が育んだ“伊達”な文化
(2) 鶴岡市(山形県)など:自然と信仰が息づく『生まれかわりの旅』~樹齢300年を超える杉並木につつまれた2446段の石段から始まる出羽三山~
(3) 会津若松市(福島県)など:会津の三十三観音めぐり~巡礼を通して観た往時の会津の文化~
(4) 郡山市(福島県)など:未来を拓いた「一本の水路」-大久保利通“最期の夢”と開拓者の軌跡郡山・猪苗代-
(5) 千葉県など:「北総四都市江戸紀行・江戸を感じる北総の町並み」─佐倉・成田・佐原・銚子:百万都市江戸を支えた江戸近郊の四つの代表的町並み群─
(6) 伊勢原市(神奈川県):江戸庶民の信仰と行楽の地~巨大な木太刀を担いで「大山詣り」~
(7) 鎌倉市(神奈川県):「いざ、鎌倉」~歴史と文化が描くモザイク画のまちへ~
(8) 三条市(新潟県)など:「なんだ、コレは!」信濃川流域の火焔型土器と雪国の文化
(9) 小松市(石川県):『珠玉と歩む物語』小松~時の流れの中で磨き上げた石の文化~
(10) 南木曽町(長野県)など:木曽路はすべて山の中~ 山を守り山に生きる ~
(11) 高山市(岐阜県):飛騨匠の技・こころ―木とともに、今に引き継ぐ1300年―
(12) 淡路市(兵庫県)など:『古事記』の冒頭を飾る「国生みの島・淡路」~古代国家を支えた海人の営み~
(13) 吉野町(奈良県)など:森に育まれ、森を育んだ人々の暮らしとこころ~美林連なる造林発祥の地“吉野”~
(14) 新宮市(和歌山県)など:鯨とともに生きる
(15) 大山町(鳥取県)など:地蔵信仰が育んだ日本最大の大山牛馬市
(16) 雲南市(島根県)など:出雲国たたら風土記~鉄づくり千年が生んだ物語~
(17) 呉市(広島県)など:鎮守府横須賀・呉・佐世保・舞鶴~日本近代化の躍動を体感できるまち~
(18) 今治市(愛媛県)など:“日本最大の海賊”の本拠地:芸予諸島-よみがえる村上海賊“Murakami KAIZOKU”の記憶-
(19) 佐賀県など:日本磁器のふるさと肥前~百花繚乱のやきもの散歩~
「日本遺産」は国内外へ積極的・効果的にPRし発信していくことも重要な方向性の一つであり、東京オリンピックのある2020年までに100件程度認定していく予定。
(写真はイメージ)