企業で導入進む「eラーニング」 新技術にも期待

今や多くの会社が社員教育のために取り入れている「eラーニング」。サーバー上に保存された教材でインターネットを使って学習するというもので、自分の都合の良い時間での受講や、学習履歴をサーバーで管理できるといった利点がある。従来の研修で制約条件となっていた時間や環境、コスト等の問題点を解決する学習形態となっており、法人向けの導入は今後も進むと見られている。

矢野経済研究所が実施した調査によれば、2015年度のeラーニングの国内市場規模見込みは法人向け市場が前年から2%増、個人向け市場は7.3%減だった。しかし、2016年度はこれらの事業において情報通信技術の活用を強化し、サービスを充実することで、市場拡大が予測されている。個人向け市場が縮小した要因として、通信教育事業による限定的なサービス展開の影響を挙げている。

法人向け市場の拡大については、日本能率協会マネジメントセンターが国内360社に実施したアンケート調査からも増加傾向が報告されており、e ラーニングの実施率は80.0%で、一昨年の調査結果である62.3%から1.3倍となっている。また、従業員規模3000人以上の企業では95.8%という高い割合で導入されていることも分かり、引き続き拡大傾向が予想されている。いずれの調査でも、スマートフォンやタブレットで受講が可能になったことが市場増加のポイントとして挙げられており、今後はウエアラブルなどの新型端末に対応した新しい受講方法開発も期待できる。

また、従来型にとどまらず、新しい教育技術を開発する動きもある。eラーニング導入1200以上の実績を持つデジタル・ナレッジ(東京都台東区)は18日にデジタル・ナレッジ教育テクノロジ研究所を設立した。他企業や大学、研究機関と積極的な連携をしながら、次世代のオンライン学習システムなどを開発する「EdTech(エドテック、EducationとTechnologyを合わせた造語)」等の最新の教育技術の開発を目指していくという。

 
(写真はイメージ)

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