オバマ大統領 22~25日にベトナム訪問予定 TPPなど議論
ベトナム外務省は10日、バラク・オバマ米大統領のベトナム訪問の日程が5月22~25日になったことを明らかにした。また同日に在ベトナム米国大使館で開かれた記者会見で、ダニエル・ラッセル米国務次官補がオバマ氏の訪越の内容に関して詳細を述べ、環太平洋パートナーシップ(TPP)をはじめ、米越関係の強化について話し合う予定であることを語った。ベトナムの英字新聞「サイゴン・タイムズ(The Saigon Times)」と「ベトナム・ニュース(Việt Nam News)」が11日に報じた。
(※訪問予定は5月23日~25日に変更となった。)
オバマ氏はハノイで米越関係についての演説をする予定。ハノイとホーチミン市での会合やイベントを通して、TPP貿易協定の重要性を議論する。
ラッセル氏は記者会見で、TPPに加え、安全保障協力が両国の関係において重要な要素になっていると述べた。また人的交流についても強調し、今年の秋にホーチミン市で開校するフルブライト大学ベトナム校(FUV)などの学術協力に言及した。FUVは、ベトナム初の独立・非営利の高等教育機関。また同氏は南シナ海の問題について、「法と一般原則に基づいた秩序を築き、海上の緊張関係を解き、全ての関係者と国際法が尊重されるように、両国は手を結んでいる」と述べた。
オバマ氏の訪問期間中は、ベトナム戦争時に関する問題も扱う予定で、地雷や不発弾の処理、米軍戦没者の遺骨の捜索と返還、中部の都市ダナンのダイオキシン汚染除去などについて話し合う。他に、人権問題、気候変動、健康問題と感染症、国際テロなどについても議論する。
ベトナム戦争後に米大統領としてベトナムを訪問するのは、2000年のB.クリントン氏、2006年のジョージW.ブッシュ氏に続く3人目。オバマ氏自身としては10回目のアジア訪問で、26~27日に日本で開かれるG7サミットとその後の広島訪問に先立つ訪問となる。
(写真はイメージ)