ニホンライチョウ繁殖飼育事業 大町山岳博物館も参加へ
環境省は12日、ニホンライチョウの生息域外保全事業について、採取した卵をふ化・飼育する施設として、今年度は従来の2施設に大町山岳博物館を加え、3施設で行うと発表した。同館は過去に国内で唯一の飼育・繁殖の実績があり、知見を活用してヒナの生存率向上につなげる。
ニホンライチョウは絶滅危惧種であり国の特別天然記念物。昨年の取り組みでは乗鞍岳(長野県・岐阜県)で10個の卵を採卵し、富山市ファミリーパークと上野動物園の2施設でふ化・飼育したが、現在生育している個体は富山市ファミリーパークのオス3羽のみ。
今年度については、乗鞍岳より産卵期に4個、放卵期に8個の計12個を目標として採卵して、従来の2施設に加えて大町山岳博物館(長野県大町市)でもふ化・飼育を実施する。
昨年に全個体が死滅した上野動物園では、感染症リスクや環境ストレスの低減などにより飼育管理を改善していくとしている。
参考記事
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特別天然記念物ニホンライチョウを動物園で飼育繁殖
(写真はイメージ)