【特集】伊勢志摩サミット(1) きょう開幕 世界経済対策で議論
先進7カ国(G7)首脳会合「伊勢志摩サミット」が三重県志摩市の賢島で今日開かれる。26日から2日間にわたり「世界経済・貿易」「政治・外交」「気候変動・エネルギー」「開発」などについて議論する。
今回の最重要議題は初日に討議される予定の「世界経済対策」。低迷が続き不透明感が増している世界経済について議論し、首脳宣言にはG7が持続的成長をけん引する姿勢を示す「経済イニシアチブ」を盛り込む予定。G7の結束とリーダーシップを示す強いメッセージを打ち出すことを目指す。
政治・外交分野では、G7広島外相会合の議論を踏まえて、難民問題を含む中東問題も取り上げる。首相官邸で20日に開かれた「持続可能な開発目標(SDGs)推進本部」では、サミットに向けた日本の貢献策として、中東地域の安定化支援や人材育成、シリア人留学生の受け入れなどに60億ドル(約6600億円)、感染症対策など国際保健拡大のために11億ドル(約1200億円)を拠出すると発表した。
開発分野については、昨年9月に国連で「持続可能な開発のための2030アジェンダ(SDGs)」が採択されて初めてのG7サミットであることから、SDGs実施についてG7が国際社会におけるリーダーシップを発揮するというメッセージの発信を目指している。
参加するのは、議長を務める日本の安倍晋三首相、米国のバラク・オバマ大統領、ドイツのアンゲラ・メルケル首相、英国のデービッド・キャメロン首相、フランスのフランソワ・オランド大統領、イタリアのマッテオ・レンツィ首相、カナダのジャスティン・トルドー首相。加えて、欧州連合(EU)からドナルド・トゥスク欧州理事会議長とジャン=クロード・ユンカー欧州委員会委員長が参加する。
日本が議長国となるのは、北海道・洞爺湖サミット以来8年ぶり。G7サミットは、自由、民主主義、人権、法の支配などの共通価値観に基づき「平和的解決」を共通認識とする先進国首脳が年に一度集まって議論する場だ。現在世界が直面している共通問題の解決のため、いかに平和的なかじ取りがされるか注目が集まる。
※1ドル=約110円で換算。
(冒頭写真:首相官邸ホームページより)