花便り~ムクゲ

街路樹に花が咲きはじめた。2~3日でしぼんでしまう、そのはかなさが一期一会の茶道の精神に通じることから、夏の御茶事の際に茶室に生けられる、ムクゲだ。

ムクゲは中国・インド原産で、高さが3mほどにもなる。日本へは奈良時代に中国から伝わった。根が横に広がらず、刈り込みにも耐えるなど、その扱いやすさから東京などでは街路樹として、また公園などに植えられるようになった。韓国では「無窮花(ムグンファ)」と呼ばれ、国花とされている。

学名は「Hibiscus syriacus(ハイビスカス・シリアカス)」で、ハイビスカスも同じ仲間だ。英名では「Rose of Sharon(ローズ・オブ・シャロン)」と呼ばれ、旧約聖書の雅歌書に出てくる「シャロンのばら」から付けられたといわれている。

生薬としても用いられており、樹皮を乾燥させたものは木槿皮もくきんぴといって抗菌作用があり、皮膚炎の薬などに使われる。また、花を乾燥したものは木槿花もくきんかといい、皮膚炎、胃腸炎、下痢止などに用いられる。今では園芸品種も多く、白色、薄紫色、赤色や八重咲きのものもある。花期は7~10月なので、もうしばらく楽しめそうだ。

花言葉:信念、新しい美
ムクゲ(木槿・槿):アオイ科フヨウ属の落葉低木

花便り~ムクゲ

 
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