国立西洋美術館、世界遺産登録が正式決定
国立西洋美術館が、17日にトルコで開かれた国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会で、ル・コルビュジエ作品群の1つとして世界遺産リストに登録されることが決まった。
ル・コルビュジエの建築作品を一括して世界遺産リストに登録することをフランス政府が計画し、2007年に日本政府にも協力を要請した。そこで2008年、国立西洋美術館を含む17の建築作品が、フランスを中心とした関係6カ国(フランス・スイス・ベルギー・ドイツ・アルゼンチン・日本)によって世界遺産に共同推薦された。これまで2009年、2011年と審査不通過を受け、10年の歳月を経て、今回3度目に登録が決定した形だ。
ル・コルビュジエは20世紀にフランスで活躍した建築家で、モダニズム建築の礎を築いた「近代建築の巨匠」と言われる。国立西洋美術館はコルビュジエが日本で唯一手掛けた建造物。コルビュジエ考案の、世界に3つしか存在しない「無限に成長する美術館」の1つであり、その中でも最も完成度の高い美術館として評価されている。ピロティー、スロープ、自然光を利用した照明計画など、コルビュジエの建築的な特徴が表現されている作品であり、日本の戦後建築に大きな影響を与えた。