子どもの「遊び込む経験」が好奇心や協調性を強める
教育大手のベネッセホールディングス傘下のシンクタンク、ベネッセ教育総合研究所は8月30日、幼稚園や保育園で遊び込む経験が多い方が「自己統制」や「好奇心」や「協調性」などの「学びに向かう力」が高くなるという調査結果を公表した。
幼稚園や保育園、認定こども園などに通う年長児を持つ保護者2266人を対象にした調査で、子どもの成長と園での経験や環境がどのように関係するかを調べた。
今回の調査では、「遊び込む経験」を6項目で定義した。具体的には、子どもが主体的に遊びに入り込むような経験として「遊びに自分なりの工夫を加える」「見通しを持って、遊びをやりとげる」「先生に頼らずに製作する」「挑戦的な活動に取り組む」「好きなことや得意なことをいかして遊ぶ」「自由に好きな遊びをする」の6項目だ。調査結果によると、遊び込む経験が多いほど、協調性、がんばる力、好奇心、自己主張、自己統制といった「学びに向かう力」の5つの領域が相対的に高くなった。
「遊び込む経験」を充実させるにあたり、同社は「園で自由に遊べる時間や場所、遊具や素材があるなどの環境の充実」と「先生が子どものやりたい気持ちを尊重しているなどの受容的な関わりの多さ」が顕著に関係しているとし、環境の充実だけでなく先生の関わり方の重要性も指摘した。
画像提供:ベネッセ教育総合研究所