保護したアカウミガメの卵がふ化 鴨川シーワールド
鴨川シーワールド(千葉県鴨川市)が保護していたアカウミガメの卵が8月12日にふ化し、同日、海に放流された。
同館は、ふ化に適さない場所に産卵されたアカウミガメの卵をウミガメ専用展示施設「ウミガメの浜」に保護収容し、生まれた子ガメを海に放流する取り組みを2002年から実施している。同館がある東条海岸には毎年アカウミガメが産卵しており、今年は8回の産卵を確認。そのうち、6月10日に確認された卵が河川沿いで大雨による冠水や流失の恐れがあったため、保護収容した。
8月1日の18時21分に砂の中から最初の子ガメの頭部が現れ、18時56分には子ガメが一斉に姿を現した。その後、「ウミガメの浜」から砂浜に伸ばした特設の橋を人の手を介さずに自力で渡り、砂浜を歩いて海に帰った。
アカウミガメは硬い甲羅を持つカメの中で最大のもの。成体のオスは背甲が約1m、体重は約110kgに達する。1978年から絶滅危惧種に指定されている。日本では福島県以南の太平洋沿岸、能登半島以南の日本海沿岸の砂浜へ産卵に来ることで知られる。4~8月の夜中に砂浜へ上陸し、1回に約100個の卵を産卵する。
画像提供:鴨川シーワールド