世界大学ランキング 東大は4つ上げて39位に アジア躍進
英国の高等教育情報誌『タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)』は21日、世界大学ランキング(2016~2017)を発表した。1位はオックスフォード大学で、英国の大学で初めて1位となり、昨年まで5連続で1位だったカリフォルニア工科大学を抜いた。東京大学は、昨年の43位から4つ順位を上げて39位となり、京都大学は91位(前年88位)となった。アジアの大学が軒並み順位を上げ、100位以内にランクインした大学は昨年の9校から11校に、200位以内は15校から19校に増えた。
同ランキングでは、2年前まで東大がアジアで首位の座を守っていたが、昨年大きく順位を落とし、シンガポール国立大学(NUS)と北京大学に抜かれていた。今年は世界ランキングを上げることができたが、同2校に加えて中国の清華大学に上位を譲ることとなった。
ただし1000位以内にランクインした大学の「数」で見ると、日本は41校から69校に増えており、米国、英国に続き3位となっている。
同誌ではオックスフォード大学の副学長の言葉を引用し、1位になった要因は「人材登用」にあるとみている。アジアの躍進については、「大学への私的な投資の増加」や、「国際化の進展」を要因に挙げている。
同誌はまた、アジアの大学が近い将来にトップ10に入ることも考えられるという意見も挙げた。一方で、「アジアの大学は機械的な学習が多くて教室内での議論が少なく、西洋の大学とは考え方が違うため、今の世界トップの大学のような巨大な知的ハブにはなれない」という意見も挙げている。
評価方法は、「教育」「研究」「論文引用数」「国際性」「産学連携収入」の5分野。「教育」と「研究」の中で研究者によるピア・レビューが合計33%となる。
世界ランキング (かっこ内は前年の順位)
1位(2位) オックスフォード大学(英国)
2位(1位) カリフォルニア工科大学(米国)
3位(3位) スタンフォード大学(米国)
4位(4位) ケンブリッジ大学(英国)
5位(5位) マサチューセッツ工科大学(米国)
6位(6位) ハーバード大学(米国)
7位(7位) プリンストン大学(米国)
8位(8位) インペリアル・カレッジ・ロンドン(英国)
9位(9位) チューリッヒ工科大学(スイス)
10位(同率)(13位)カリフォルニア大学バークレー校(米国)
(10位)シカゴ大学(米国)
アジアのトップ100ランクイン校
24位(26位) シンガポール国立大学(シンガポール)
29位(42位) 北京大学(中国)
35位(47位) 清華大学(中国)
39位(43位) 東京大学(日本)
43位(44位) 香港大学(香港)
49位(59位) 香港科技大学(香港)
54位(55位) 南洋理工大学(シンガポール)
72位(85位) ソウル大学校(韓国)
76位(138位) 香港中文大学(香港)
89位(148位) KAIST(韓国)
91位(88位) 京都大学(日本)
日本のトップ500ランクイン校
39位 東京大学(43位)
91位 京都大学(88位)
201-250位 東北大学(201-250位)
251-300位 大阪大学(251-300位)
東京工業大学(201-250位)
301-350位 名古屋大学(301-350位)
351-400位 九州大学(401-500位)
豊田工業大学(初)
401-500位 北海道大学(401-500位)
東京医科歯科大学(401-500位)
首都大学東京(401-500位)
筑波大学(401-500位)
1000位以内ランクイン校数の国別ランキング(かっこ内は前年のランクイン校数)
1位 米国 148校(147校)
2位 英国 91校(78校)
3位 日本 69校(41校)
4位 中国 52校(37校)
5位 ドイツ 41校(37校)
なお、同じく英国の大学評価機関「クアクアレリ・シモンズ (Quacquarelli Symonds、QS)」が6日に発表した世界大学ランキングによると、東大は34位で、アジア5位。アジアの各大学が同様に順位を上げる結果となっている。
参考記事
世界大学ランキング、東大は34位 アジアは軒並み順位アップ(2016/09/10)
THE アジア大学ランキング 東大1位から7位に転落(2016/06/22)
東大、アジアトップから転落 THE世界大学ランキング(2015/10/05)
2つの世界大学ランキング 東大の敗因は?(2015/10/08)