クロマグロの資源量回復に向けて、WWFが声明
世界自然保護基金(WWF)ジャパンは22日、太平洋クロマグロの資源量を2030年までに、漁業が開始される以前の推定資源量(初期資源量)の20%を超えるレベルまで回復させるべきとの声明を発表した。これは、28日から韓国・釜山で開催される中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)第13回北小委員会に向けて発表したもの。
北太平洋まぐろ類国際科学委員会(ISC)によると現在は2.6%まで資源が減少。枯渇状態でありながら過剰な漁獲が続いている。このような現状の中、太平洋クロマグロ資源を安心できるレベルまで回復させる長期的な計画はいまだ合意されていない。現在導入されている暫定的管理措置は存在するが、十分に遵守されていない状況が報告されている。
WCPFC第13回北小委員会で日本代表団は、親魚資源量の回復目標達成確率が65%を超える場合に漁獲上限を増加させると提案するという。これに対して、WWFでは回復目標を達成する前に漁獲上限を増大させることは、科学的な議論が十分されているとは言えないと指摘。資源回復措置としては受け入れらないとしている。
WWFジャパン自然保護室海洋水産グループ長の山内愛子氏は、「初期資源量の20%を超えるレベルまで回復させるという目標が必要」で、「長期目標への合意ができず管理措置への遵守徹底がなされていない現状では、太平洋クロマグロを対象とした商業的漁業は一時的に停止せざるを得ない」と述べた。