2017年卒の就活は短期決戦? 5月末内々定率4割超える
2017年卒業予定の学生を対象にした求人の選考解禁日は、日本経済団体連合会(経団連)の指針で昨年より2カ月前倒しの6月1日だったが、5月末時点での内々定率43.0%と、4割を超えていることが分かった。
昨去年の6月末に近い内々定率
マイナビ(東京都千代田区)が3日に発表した、2017年卒業予定の学生9446人を対象とした就職内定率の調査結果によると、5月末の時点での内々定率は43.0%で、前月比24.1ポイント増、前年同月比17.2ポイント増となり、去年の6月末の内々定率(46.1%)と近い数値となった。特に理系男子は50.5%(前年同期比20.7ポイント増)で半数を超えた。
平均内々定保有社数は1.6社で、内々定を複数獲得している学生の割合は39.8%(前年同月比11.8ポイント増)。内々定保有学生の66.4%は活動を継続する意向を示している。未内定学生を含めた活動を継続する学生の割合は85.6%だった。
文系男子の内々定率は41.5%(前年同月比16.9ポイント増)、文系女子は37.8%(同15.7ポイント増)、理系女子は45.4%(同15.5ポイント増)となった。
内々定学生の入社意思は製造業が最高
内々定保有学生に、現時点で入社意思が最も高い企業の業種を聞いたところ、「製造(建設除く)」が30.4%(同3.0ポイント増)で最多となり、「サービス・インフラ」(29.0%、同1.4%減)が続いた。4月末の調査では「製造」が27.2%、「サービス・インフラ」が30.6%で、今回の調査で逆転したことになる。企業規模別では、「1000~2999人」が22.8%(同1.7%増)と最も多かったが、「5000人以上」(12.3%、同3.1ポイント増)が前年同月比で最も増加した。
他の調査では?
就活状況は他のところも調査している。学情は文系を国公立と私立に分けて集計しており、同社が5月下旬に調査し、1日に発表した結果によると、内定率は国公私立理系が49.5%(5月上旬は28.8%)、国公立文系が41.1%(同27.0%)、私立文系が43.4%(同29.9%)となっている。
リクルートキャリア(東京都千代田)はほぼ1カ月前、5月1日時点での就活状況調査を5月26日に発表している。上の2つの調査に比べて調査期間から発表まで時間がかかっているが、その分、調査内容がより豊富なものとなっている。同調査によると、5月頭の内々定率は25.0%だった。4月中に内々定を取得した企業は「情報・サービス業」が57.2%で最も多く、次いで「製造業」(18.4%)だった。マイナビの調査結果と大きなずれはない。
就活に対する「気持ちの高まり度」を0から10までの11段階で選ばせたところ、7が18.8%で最も多く、次いで8が16.2%となり、平均は6.32となった。9を選んだある学生からは、「徐々に、自分の適性ややりたい仕事が見えてやる気がでてきました」といったコメントがあり、8を選んだある学生は「頑張ろうと思うのと同時に、内定をもらえるのかという不安もある」と書いている。
就活の短期決戦化?
経団連の指針による選考解禁は2015年卒まで4月だったが、2016年卒は8月に「後ろ倒し」となった。2017年卒は再び6月となっており、各企業がその指針にどう対応するかが注目されている。去年に比べて「短期決戦」となることが予想される中、学生も早めに活動を始めていることが読み取れるが、最終意思決定をするのは6月以降の選考結果を待ってからという姿勢もうかがえる。
参考記事
2017年卒の就活 3月1日時点で3割が面接・試験段階
(写真はイメージ)