世界遺産を訪れる スペイン バルセロナ
旅行ガイドブックに取り上げられている「観光名所」。訪れる意味と価値があるとされるからこそ、その位置をものにしているわけだが、そういった名所に決まってつけられている「お墨付き」の一つが世界遺産登録だろう。ユネスコのサイトによると、「世界遺産とは、地球の生成と人類の歴史によって生み出され、過去から現在へと引き継がれてきたかけがえのない宝物」のことを言う。1972年の第17回UNESCO総会で採択された世界遺産条約(正式には『世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約』)の中で定義されている。
そんな「かけがえのない宝物」の中から一つ、今回はスペインバルセロナの世界文化遺産を紹介したい。
「アントニ・ガウディの作品群」は、スペイン バルセロナのアントニ・ガウディ(1852年 – 1926年)の作品で、代表的なものに「サグラダ・ファミリア(聖家族教会)」「グエル公園」「カサ・ミラ」などがある。
ガウディの作品は、「人類の創造的才能を表現する傑作」であり、「ある期間を通じてまたはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの」。さらに、「人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例」として、世界遺産の基準を満たし、登録されるようになったという。
熱心なカトリック教徒として、ガウディが全人生を捧げ、今なお建築作業中という未完の大聖堂がサグラダ・ファミリアだ。ここには毎年300万人以上の人が足を運ぶという。ステンドグラスや彫刻など見所が満載だ。
1906~1910年に建築された、政治家 ミラ氏の邸宅 であるカサ・ミラ。どの部屋にも自然光が入り、通気性がよいように設計されている
1904年~1906年にかけてガウディが改築を手がけたカサ・バトリョ。外壁は全面色とりどりの破砕タイルで飾られ、曲線でできたバルコニーが特徴的だ。
この他にもガウディの良き理解者であり、パトロンとして彼を支えたバルセロナ有数のブルジョア、エウセビ・グエル氏のグエル邸、グエル公園、カサ・ビセンスなども世界遺産に登録されている。
バルセロナの街に点在するガウディ作品群。街の建造物がこれほどに一貫性をもち、1人の芸術家の個性が輝く街も珍しい。一度訪れ、触れてみる価値のある都市だ。
http://www.unesco.or.jp/isan/about/