ブナの木で焼く香ばしいニュルンベルクのソーセージ ~ドイツ街めぐり・食めぐり(9)
バイエルン州北部の町ニュルンベルクのご当地ソーセージは、他の町に比べてぐっと小ぶりなのが特徴。そのためパンに挟んで食べる場合、このソーセージは3本ほど挟んであるのが普通だ。小ぶりなぶん、おいしさもぎゅっと凝縮されているような醍醐味を、ニュルンベルク市内では味わうことができる。
ソーセージを焼く匂いと煙が、煙突からもくもくと漂っている
ニュルンベルク・ソーセージの名店として知られる「ブラートヴルスト・ホイスレ」。市街中心部、市庁舎広場一番地にあるこの店の前を、食事時にあっさり素通りするのはやや困難だ。地元産の豚肉を用いて精肉職人が作る自家製ソーセージを、ブナの木材を使って直火で焼く。ニュルンベルク・ソーセージの伝統を守るこの店の煙突からは、その煙が常時もくもくと立ち上っている。辺りに立ち込める香ばしい香りに誘われて、この店に吸い込まれてしまったお客はきっと、筆者だけではないはずだ。
ソーセージの本数ごとに値段が設定されており、一番少ないポーションで6本が8.50ユーロ(約1104円)。この倍の12本だと15.10ユーロ(約1961円)となっている。ソーセージの付け合わせに、ザワークラウトかポテトサラダを選ぶことができる。また、テーブルの上にはパンかごが置いてあり、これは食べた分だけあとで換算される仕組みになっている。
ニュルンベルク・ソーセージは、ボリュームたっぷりのドイツ料理の他のメニューと比べると、なんだか控えめでかわいらしい印象なのだが、この小さなソーセージには肉のうまみがぎゅっと凝縮されていて味わいが濃厚だ。さらにこの店のソーセージはスパイスが強すぎず、その代わりに香ばしさを高めているものが、ブナの木材の直火力だ。同店ではブナの木材は、切ってから3年寝かせたものを使っているのだそう。この日、付け合わせに頼んだザワークラウトは酸味がごく控えめで、あっさりしていて美味だった。
ニュルンベルクは、クリスマスマーケットの町としてもよく知られている。今年は11月30日からスタートするクリスマスマーケット。この時に立ち並ぶソーセージ屋台も、この町ではニュルンベルク・ソーセージのみだ。ちなみに、地元サッカーチームのFCニュルンベルクがクリスマスマーケットでソーセージ屋台を出店し、選手たちがソーセージを焼くというアトラクションが行われたこともある。当時、同チームに所属していた日本代表の長谷部選手や清武選手も、かいがいしくニュルンベルク・ソーセージを焼いていたらしい。
*1ユーロ=129.89円で換算(10月13日現在)
【店舗情報】
Bratwursthäusle
Rathausplatz 1
90403 Nürnberg
Tel.: +49 911 227695
www.bratwurst-haeusle.de
営業時間 11:00-22:00
(in association with the GNTB/協賛:ドイツ観光局)